2016/01/13 君はまだ戦っているのか
ドラマは見てないけど、本は読みました。
あの1997年に不正会計の事件後の経営破綻によって廃業した山一證券で、最後の清算業務に就いた12人の物語。
とにかく、巨大な会社が崩れ去るその時に、そこにいたサラリーマンは何を思うのかと、その後を見せてもらえる物語である。
久々に濃密な物語を読んだなという感想。やはり、実際に起きた出来事であり、一部は物語化されているが、実際の描写が多くあり、その物語に強烈なインパクトを与えている。
夢中になってしまう本であった。
特に最後の10章 その後のしんがり兵たちはは、その12人のその後が描かれており、そして、数々の道を経験した12人の言葉がありのままで書かれている。
恥ずかしながら、その言葉達にに涙してしまった。
「これで終わりだと思ったら、また始まりだった。」
「この世は理不尽な事がたくさんある。けれど、流されちゃいけない。言いたいことが言える人間じゃないとね。」
「心配することない。一生懸命生きていれば、必ず誰かが見ていてくれている。」
「努力する能力さえ磨いておけば、軋轢はあっても人は温かく迎えてくれる。」
これだけの経験をしてきた12人の方々は、それぞれ、その後も何度も転職をしているという。
石の上に3年なんて言葉があるように、まずは、3年、働き通せと言われることがあった。しかし、今の若者世代でそれは通用しない。会社が倒産し、すぐに合併を繰り返すそんな世の中で、おちおちしていられないのが現状。
そして、昔よりもはるかに多くの職業を選択できる時代になってることも間違えない。先日、このブログでも書いたが、リクルートではリモートワーク制度という新しい働き方のスタイルを実証実験から、実際の会社の制度として取り入れるという記事があった。
働き方が自由な時代になってきている中で、個人プレーを好まない会社も未だ多く存在する。しかし、それは、考え方の違いなのではないかと思う。離れていようとも、場所が違えど、同じ目的に向かって仕事をするチームであることは間違いないと思う。そして、個性をさらけ出せる今だからこそ、個人をもっと尊重し、会社の中でも多くの選択肢を作るべきだと思う。概念にとらわれるような時代は既に終わっていると思う。
この本を読んで、とにかく一番に思ったことは、サラリーマンにとって、大切なことがたくさん書いてあったと思う。出会いは人を大きく変えるということ、そして、仲間がいること、そして何よりも誇りを持った仕事をできる会社であること。それが例え会社の最後の瞬間であったとしても。
そんな仲間に出会える職場がいつか見つれば良いと思う。自分も今まで何社か渡り歩いてきたが、一つ一つの出会いで自分を大きく変えてくれた人がいた。
しかし、この本を読んで、まだまだ自分は未熟であると痛感した。まだまだ、世の中には知らないこともたくさんあって、そして選択肢は一つじゃないということも。
不思議と今年の自分自信の目標にぴったり当て嵌まっていることがとにかく嬉しかった。まるで応援しているかのような、自分にとって、多くの目標と希望を与えてくれた本であったことに間違えはない。
本当にこの本に出会えてよかった。
読み終えた時、久々に充実した気持ちになれたそんな一冊だった。
是非、サラリーマンの方々に読んでほしい。そんな一冊。