2014/10/22 国鉄ディスカバーだ。
東京ステーションギャラリーで行われている「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 遠くへ行きたい」展に行ってまいりました。
実は、この東京ステーションギャラリーで、鉄道関連の展示が行われるのは珍しいとのことです。
丸ノ内北口を正面に入ると、左側に現れるのが、東京ステーションギャラリー。
なかなかな広さではありますが、少し、電車を待つ間の一時間に立ち寄れる手軽さもあり、とっても良い雰囲気です。
もちろん、入場券はSuicaで買えます。
エレベータで3Fへ。色濃く随所に見られる東京駅のレンガの壁や、鉄の素材。この空間がとっても新鮮で見心地が良い。
さて、展示の内容。まだ開催中ということもあり、あまり詳しくは書かないが、個人の所見だけ。ディスカバージャパンって聞くと、どうしても、JR西の「ディスカバリーウェスト」の方が出てくるなーと思っていましたが、それもそのはずなんですね。そもそもが、このディスカバージャパンという国鉄のキャンペーンが今の大元になっていることが良くわかりました。
1970年に始まったこのキャンペーンは、当時の国鉄が、地域縛りでなく、日本全土に幅を広げ、大々的に行ったキャンペーン。
時代は、万国博覧会が終了した翌月のことだった。それまでの旅行スタイルが大きく変貌した万博。
団体・大人数から、個人旅行の時代へと変貌する最中、国鉄がその旅客確保を目的として行われたキャンペーンだった。
そのビジュアルは、当時の広告から言えばかなり斬新だったといわれ、特に若い女性をターゲットとしたそのビジュアルは、様々なところに影響を与えたということでした。
当時、「anan」や「nonno」など、女性ファション誌が相次いで創刊され、時代や、国鉄としても転換期であった時期の大きな広告であったことは間違えないようです。
当時の写真で色濃く飾られた一枚一枚のポスターは、とても柔軟さに溢れており、現代の広告に通じる部分が多々ありました。紙は色褪せてしまっているが、色褪せない感じのデザインがその強さを引き立たせている感じでした。
当時、国鉄各駅に、駅スタンプというものが設置され、全国各地でそのスタンプを集めることも可能だったとか。実際に、現存していたその専用スタンプ台が展示されており、今年の3月に廃止となってしまったJR東日本 岩泉線岩泉駅で廃止の日まで使用されていた実物だった。
副題が「美しい日本と私」。大きなテーマを元に、日本中を駆け巡ったこのキャンペーンは、1980年代になり、国鉄赤字累積や、赤字路線廃止など、問題が顕著になるにつれて下火になったといわれている。
貴重な資料がたくさんって感じではなく、その時その時の資料で歴史と情報を感じられる展示になっています。ちょっと、アートな感じで行くと残念な展示かもしれませんが、その当時の資料やポスターを見ながら、雰囲気の飲まれるのも良いかもしれません。
ちなみに会期は11月9日(日)までなので、気になった方は是非。
東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -
今年は、東京駅が100周年。その記念で行なわれている展示は、このあとも続くそうです。一つ別展示をはさみ12月13日からは「東京駅開業百年記念 東京駅100年の記憶」という展示が行われます。
今回の展示よりも、このあとの展示の方が気になってしまった(笑)
秋ですから、アートな気分に浸るのもありですね。